2012年12月22日土曜日

「海ほたる」から見た坂東

   東京湾を横断するアクアラインを初めて走った。

   中央高速の事故があってしばらくトンネルのある高速は通らないようにしているが、アクアラインはまだ出来て15年ぐらいなのでイイか、と思い切って出かけた。

   木更津市と千葉市の博物館で見たい展示があったのと、もう一つ密かな目的があった。徳川家康が江戸に入る前にこの地を支配した小田原北条家、その水軍の目に写った坂東の地はどのようなものだったのか。この目で見たい、と実に他愛ない。

   川崎からアクアラインを通って10キロ、木更津の直前で海底トンネルを出たところに「海ほたる」の愛称のパーキングエリアがある。ここの眺めが素晴らしい。

望遠を使わずに見える東京の都心

北 右手前方に千葉市


南   左手前方は館山市方面


東  アクアラインの橋梁部






   周りに広がる海や遠くに見える山、潮のうねりは北条氏がこの海を支配したころと変わらないだろう。富士山も丹沢の峰々も筑波山も、おそらく同じように見えていたのではないだろうか。

   想像した以上に広い。飛行機が羽田に着陸する前、機内から見える東京湾は思いのほか小さい。房総半島上空からあっというまに滑走路に着くように感じるが、実はこんなに広い空を飛んでいたのだ。

   16世紀には見えなかったものは「江戸」の高層ビル群、スカイツリー、横浜のベイブリッジと「海ほたる」、といった現在の建築物だけだろう。そうした建物もみんな小さく、豆粒のように見え、海と陸と空がやけに大きい。


スカイツリーを望む

木更津市から見た東京湾    右にとアクララインの橋梁部分


   水軍の将が見たであろうこの景色を自分の目で見たかった。

   ところで、アクアラインは現在暫定的にETCでの通行は800円だが、本来は3000円だ。アクアラインは完成したあと長く使用する人が少なく、随分と話題になったことはまだ記憶に新しい。料金が高すぎたのだ。

   そのうちまた3000円に戻るのだろうか。そうなったら私はアクアラインはもう使わない。

   早くて便利でしょう?だからお金を払って当然、という時代でしょうか。

   「高速は有料」が当たり前になっている今の考え方、どうも理解できない。自分が車を運転する、しない、とは関係のない「人の流れ」「物流」への影響は計り知れないものがあります。高速無料化の夢は無残にかき消されてしまったが、本来道路は無料が原則。

   出発点にもよりますが、アクアラインは東京湾の北岸を通るよりはるかに早く、楽に房総半島に行けます。でも片道3000円使って千葉市の美術展や博物館に行く気は・・・毛頭ない。

   

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