12月12日 (木曜日) 朝早く ソセンポ(西生浦)倭城の竹田城的写真
まだ暗いうちに起きてまずは海岸に出る。一晩中ドドーンという波の音が聞こえていましたが、穏やかに凪いだ海を見ると特に風が強かったわけではなかったようです。
ソセンポ倭城は加藤清正が文禄年間に築城した時は海に面していたといいますが、400年で海岸線はこんなに変わるものでしょうか?500~600メートルは後退したことになります。朝鮮半島が隆起して国土が広くなったのでしょうか?
ソセンポ倭城では何と言っても見事な高石垣と登り石垣の大きさにまずビックリします。総石垣だけなら日本国内でも見られます。しかし登り石垣は韓国に来ないとこれだけの規模のものは見られません。どの倭城にも大なり小なり備わっていますが、ソセンポ倭城の登り石垣は桁外れに大きいのです。
「倭城の研究」第三号から高田徹さんの縄張り図をコピーして使用 |
どうして韓国にだけ登り石垣が発達したのでしょうか?朝鮮式の山城にたくさんあるわけではないようです。朝鮮に適した形であったために広まったものと思われます。
しかしそのとてつもない規模の石垣はあまり大事にされていません。
ソセンポ倭城はあまりに広大な敷地を占有していて中には畑や村があって、住民がたくさん住んでいるのです。これをこのまま公園にするには地元が賛成しないでしょう。
どうやら山頂の城郭部分だけ遺跡として保護しているようで、石垣にまで関心は広がっていないようです。
新しい舗装道路ができていますが、いずれ石垣を突き抜けるのでしょうか? |
石垣のすぐ隣の家です。 |
石垣の上に住んでいるのか、石を持って来て積んだのか・・・。 |
さて、これから先はひたすら上にあげた縄張り図を参考に、朝の陽を浴びるソセンポ倭城を見てください。陽の光は縄張り図では時計の針四時の方向からきます。
石垣は二段? 左は空堀跡では? |
草が刈ってあるときれいでしょうね。 |
大手虎口 |
大手以外ただ一つの虎口 |
その虎口から空堀まで降りようとしましたが、険しくて降りれません。 |
左奥は西側から見た天守台 |
高石垣の下には空堀が伸びています。 |
北側の空堀 |
出丸から上に伸びる南側の登り石垣 黄色い丸は私が泊まったモテル(余計かな?) |
工業都市ウルサン市 |
山頂部分はどこにカメラを向けても『竹田城』です。これほど絵になる倭城は他に知りません。実は城の横の空堀や竪堀を歩きたかったのですが、枯れ木や草に阻まれて降りることができません。総石垣の城に並行する土の城の面影は石垣の上からしか見られませんでした。歴史公園的な施設を作るのなら周辺をめぐる散歩道は欠かせないでしょう。そこから見上げる高石垣は竹田城をはるかに超えるでしょう。
朝陽に映えるソセンポ倭城が見られただけでとても幸せな気持ちになりました。
城跡を下ってチナの街から見上げると明るい朝の光を浴びたソセンポ倭城が見えます。石垣がはっきり見えるように周りの木は切ってあります。ソセンポ倭城を観光の目玉にしようというウルサン市の意向を反映しているのでしょう。これまではただの山にしか見えなかったのに今はしっかり山頂の白い石垣、その下には斜面を這う登り石垣がきれいに見えています。
そういえば昨日チナに向かうバスの中から「西生浦倭城」という道路標識も目にしました。しかも何回も繰り返して。漢字で書いてあっても中国人ではなく、日本人を考えてくれたものでしょう。でも車を運転してくる日本人はいるでしょうかね。こまかいバス案内のほうが必要な気がします。
ソセンポ倭城にもトイレが設置され、簡単な案内所もできています。今のところ韓国の観光は業者を通した団体旅行が中心で私のように個人で動く人は少ないようです。いずれ個人旅行がやりやすくなれば『韓国の竹田城』ソセンポ倭城まで足を運ぶ城好きは増えること請け合いです。行く価値は十分あります。
こんにちは
返信削除小生 甲府城のボランティアガイドを務めております。この度訪韓の機会に西生浦倭城と蔚山倭城を見学してきます。
甲府城は日本の築城の基礎的要素を含んだ天守台石垣が良好な状態で保存されています。また浅野幸長が築城に携わり、両城の築城、在番、戦闘とかかわりがあり、大変興味を覚えています。貴ブログを参考に見学してきます。
桜が見ごろを迎えているのではないでしょうか。羨ましい。お役に立てるならこんなうれしいことはありません。お気をつけて。
返信削除倭城に興味がたくさんありますが、貴下のブログを見てとても楽しいです。 私は釜山に住んでいる韓国人なので釜山広域市中心の倭城は自由に行き来できるのですが、もし確認してみたいところはありますか? 間もなく東灘城も踏査する予定です。
返信削除ありがとうございます。貴重なご意見は次の機会に活かしたいと思います。もしブログに倭城について書かれるなら、読みたいものです。
返信削除光栄の至りです。残念ながら、私が使っているブログプラットフォームに日本語でも文章を書くことは容易ではありませんなので全部韓国語ばっかりですが、パパゴという翻訳プログラムを利用すれば固有代名詞を除いてはちゃんとした日本語で読めることができると思います。今まで踏査記を書いたのは西生浦倭城と東萊倭城です。
削除住所は下です。
https://m.blog.naver.com/PostList.naver?blogId=yk020428
嬉しいですね。今後の参考にさせてもらいます。
返信削除