都市とは計画的に造るべきものなのだ。チネの大通りを歩きながら、広い車道、ゆったりした歩道、整然と並ぶ店を眺めて改めて思った。
チネ駅 |
鉄道の駅からまっすぐ海に向かって伸びる大通りの中程は交差点を置き、信号のないロータリーになっている。
このようなロータリーが市内にいくつか配置され、それぞれから八方向に道路が伸びている。
江戸の世から変わらない、曲がりくねった狭い道路に住む日本の生活と比べて、どれほど開放感があって機能的なのだろう。道はこうでなければ。
チュンウォン・ロータリー 後ろの小高い山の上にチネ博物館 |
現在ののチャンウォン(昌原)市チネ区は、この古い町並みをもちろん大きく超えて周辺に広がっているが、街の様子、雰囲気も一緒に広がっている。どこまで行っても古き良きチネがある。
私がチネに来たのはここにある博物館を見たかったからだ。ウンチョン邑城、文禄・慶長の役の李舜臣と秀吉軍の海戦、チェポの日本人居住地などの展示に興味があった。
チネ博物館 |
博物館は街の真ん中、チュンウォン(中原)ロータリー脇の小高い山の上にある。今はモノレールに乗ればいいけど、昔はどうしたのだろう?かなり険しい。
モノレールがなければ私は博物館行きを諦めただろう。モノレール3000ウォン(およそ240円)、博物館無料。
そのモノレールも数年前に出来たばかり、という。客は私一人。運転手一人。「帰るとき電話してください。」と出口脇のインターフォンを指して教えてくれた。
民間用港湾施設 |
チュンウォン・ロータリー(手前)とチネ港 道路が八方向に伸びているのが見える |
展望台からの眺望は期待以上。しかもこの高みでこの瞬間、自分がこの景色を独占しているのだ。
歩道が広いと落ち着きますね |
モノレールを降りると無性にコーヒーが飲みたくなった。大通りに洒落たコーヒーショップを見つけた。
客は私ひとり。秋の陽が暖かい外のテラスで道行く人を眺めながらチネについて考えた。
軍港と言っても兵士の姿が見えない。路上で物を売る人がいない。小都市とはいえ、都市には都市の騒音があるのに、ここにはない。
さらに個人的な体験だが、バス停で時刻表を眺めていると、「何かお探しですか?」と声をかけられた。よほど困った顔をしていたのかもしれないが、初めてのことだ。プサンならまず誰も声をかけてこない。
コンビニで支払いをする時に「ひょっとして日本人ですか?」と2度尋ねられた。同じ顔をしているから韓国人と思われるだろう、と思っていたら動作や身なりで日本人とわかるそうだ。
ソウルやプサンだと何も聞かれないし、黙って日本語で返事が返ってくることもある。
この街は何が違うのだろう?軍港ということで、経済的に余裕のある人が多いのか?
それにしても、一人で旅行していると、わずかな関心でも示してくれると嬉しくなるものです。
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