2013年2月4日月曜日

八王子城 谷間に隠れた石積み

   八王子城では水路状敷石のほか、もうひとつ気になっていた石積遺構があった。山上曲輪群から「馬冷やし」に向かい、「詰めの城」に至るルートではなく右へ無名曲輪をとりまくように進んだすぐ左側の崖に残る石積だ。

   これはロープが設置してあるから場所はすぐわかる。急な崖に次々と高さ40~50センチ幅1.5メートルから2メートルの石積みがロープにぶら下がりながら見えてくる。3~5メートル間隔で5,6か所ある。




石積みはどれも高さ30~40cm 幅2~3メートル



   ロープがなければ降りるのに気を使いすぎて石積みには気がつかないほど急な崖だ。存在が確認されたのは比較的最近、という。さもありなん。










   見るからに「土留め」、との考えが頭をかすめるが同時に・・・「何のため?」と疑われる。他の面に比べてやや窪んでいるとはいえ、上から水が流れるわけでもなく特に窪みが激しいわけでもない。周りに石積みはない。ここだけ石を積んだ理由は何なのか?

   そこまで詮索しなくても、と元来大まかな性格が頭をもたげる・・・が気になる。

崖下の谷底
谷から崖を見上げる


   崖の下まで降りてみるがただの谷間にしか見えない。沢状になって石がゴロゴロ集まってはいるが激しい降雨時以外は水も流れそうにない。周辺を歩いても「土留め」がある場所は他に見当たらない。なによりも「土留め」を必要としたほどには周辺に崩壊の跡が見られないのが不思議だ。

   八王子城の探索が楽しいのは実はこうした「謎」が多いからかもしれない。

   すぐに「これはねぇ」と反論の余地のない説明をされると・・・かえって反発するかも。もう少し黙ってつき合って見るか。

0 件のコメント:

コメントを投稿