2013年12月8日日曜日

倭城マラソン(13) 慶尚南道ぶらり一人旅

プサンを中心に慶尚南道(キョンサンナムド)を歩こうと思います。

韓国、北朝鮮の「道」はおおまかに日本の「県」にあたる地方行政の単位。韓国から見れば日本の「福岡県へ」という感じ。

いま一番関心を寄せているのは中世の城なので、慶尚南道に分布した倭城(わじょう)と主として朝鮮時代に作られた邑城(ゆうじょう)を見てまわろうと思います。昨年も行きましたが、10月だったのでまだ雑草が多くて城跡に近寄れなかったり、見えにくい個所も多々ありました。1月は寒いだろうし、と今年はぎりぎり12月に行くのはそのためです。草は少ないけど、ちょっと寒さが心配。

それともうひとつ、今回は中世の城だけではなく躍動する韓国の姿も見て来たい。韓国は行くたびに大きく変わっています。今回はどんな姿を見せてくれるか楽しみです。行き先を「慶尚南道」と書いたのには理由があります。

朝鮮半島と日本列島ははるか昔、おそらく国境のない時代から交流が続いています。プサンで発掘された縄文土器を見てあらためて驚きました。土器があるということは、人間もついて行ったでしょうねえ。昔からずいぶんと近かったのだ。成田だ、羽田だ、というはるか以前、近くの浜から船出したのでしょうねえ。パスポートのない時代から人間同士、地方同士のつきあいが積み重なってきています。

朝鮮半島はそんな眼で見続けたい、という気持ちであえて国名を外しました。無視とは違います。韓国と日本、いま外交的にとても微妙な関係になっていますよね。日本を「過去を正視しない!」と非難の声を上げ続けるパク クネ(朴槿恵)大統領の強硬姿勢で、日韓関係はギクシャクしています。

すったもんだはあっても今日ほど二国間関係をがんじがらめにする政治状況はなかったように思います。この先どうなるか無関心ではいられません。前のイ ミョンバク(李明博)大統領の竹島上陸と「天皇」発言をきっかけに、日本では韓国に対する感情はこれまでになく悪化、韓国からは日本の歴史認識を巡って厳しい視線が続いています。これまでもいろいろと外交問題がありましたが「なんとか収まる。」と、どこか楽観的な気持ちがありました。今回は違います。パク大統領は上げた手をこの先どうやって下ろすのでしょうか。

先が読めません。

そんな時だから、国家にはしばらく静かにしていてもらって日本列島の一地方から朝鮮半島の一地方に行く、ぐらいの気持ちで出かけたい。「国家」のくびきから少しなりと離れて本来の近所づきあいをしてみたい。とは言いながら地理的に近いだけだったとしたら・・・。

安倍政権になって韓国ウォンが高くなってしまいました。昨年まで続いた「安め」の滞在費は期待できません。イヤですね、出かける前からしっかり国家が「交換レート」で通せんぼ。でも心の中だけは渡し船で隣村へ行く気軽さを持っていたい。

ではちょっと慶尚南道まで。


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